安倍らの論文が都市計画論文集に掲載されました
2025.10.30
博士1年の安倍の論文が、2025年10月25日公開の都市計画論文集(査読有)に掲載されました!
本研究は、安倍が修士2年の際に行った研究をまとめたものです。
◯安倍 ひより, 籔谷 祐介:「まちを見る感性」 を育むまち歩きプログラムの開発と評価 地域愛着及び主観的幸福感への影響に着目して
https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalcpij/60/3/60_8007/_article/-char/ja
本研究では、「まちを見る感性」を育むことを目的としたまち歩きプログラムを開発し、地域愛着及び主観的幸福感への効果を検証しました。
「まちを見る感性」とはまちの見方に違いを生む働きであり、私が修士1年次に実施した研究の中で定義した概念です。その研究では、まちで見たものに対して「想像」を働かせることが、地域愛着に影響を与えることを明らかにしました。今回は、そのまちで見たものに対して「想像」するという働きに焦点を当て、「総曲輪のまちを歩いて、みんなの私視点地図を作ろう」という3回連続参加型のまち歩きプログラムを実践し、アンケート調査とヒアリング調査で効果を検証しました。
その結果、本プログラムへの参加を通して地域愛着及び主観的幸福感を高めることが明らかとなりました。また、「まちを見る感性」が育まれたことで、プログラムの対象地に限らず様々なまちへの興味関心やまち歩きの際に感じる主観的幸福感が向上したことが明らかとなり、本プログラムが日常生活における様々なまちとの関わりを通じて地域愛着及び主観的幸福感を高める可能性が示唆されました。
プログラムの企画から検証まで行うことや、実践を研究としてまとめることがなかなか難しく、先が分からないまま迷い続け、色んな締め切りに追われ続けた1年でした。なんとかこのような形で論文へとまとめることができ、都市計画論文集へと掲載されたこと、大変嬉しく思います。プログラムの参加者の方から、「まちの見方が変わって、まちを楽しめるようになった」といった声もお聞きすることができ、もっといろんな人がまちを楽しめるようになったらいいのに!という私の叶えたい思いに一歩近づけたように感じています。とはいえ、実践してみることで様々な課題も同時にたくさん見えたので、得られた学びを活かして今後とも研究活動へと励みたいと思います。
ご指導くださった籔谷先生、研究室のみんな、プログラムにご参加いただいた皆さま、改めて本当にありがとうございました!

また、本研究で開発したまち歩きプログラムを実践したい人に向けて、プログラムの手順やポイントを研究の結果をもとにまとめた冊子「まちを見る感性を育むまち歩きガイドブック」を2025年2月に制作しました。
この冊子は、もっと多くの人の「まちを見る感性」が育まれてほしいという思いのもと制作したものです。一から企画したからこそ分かった実施までに必要な準備内容や、検証を行ったからこそ分かった効果など、実践したい人にとってヒントになるような情報をまとめることができたのではないかと思います。
ぜひまち歩きを企画する際に、ご活用いただけると嬉しいです!
▼冊子のデータは、以下からダウンロードいただけます▼
https://researchmap.jp/yabutani/misc/51547643
(文:安倍ひより)


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