コモンズ型建築再生手法研究会
「共有地」としての建築物の再生とは
- 期間
- 2024年4月~
- 協同者
- 横浜国立大学志村研究室、茨城大学一ノ瀬研究室、名城大学佐藤研究室
日本の地方部は、人口減少による経済縮小の進行により、空き地や空き家といった低未利用地が増加しています。その中で、貨幣を介さない脱資本主義的な空間として「コモンズ」が着目されています。コモンズは、一般的に「共有地」とされ、特定の人や団体が所有せず、特定のルールに基づいて、誰でも利用できる空間です。さらに、コモンズでは、建築物の運営や維持管理に利用者が関与することが多く、運営者や所有者の負担を軽減している可能性があります。このように、地方部においては、建築物をコモンズとして活用し、運営者の負担を軽減することで、持続的な維持管理が可能であると考えられます。
コモンズはもともと、近代以前のヨーロッパにおける牧草地などの資源を共同で管理する共有地のことを指します。日本では、山川野などの自然資源を住民が共同で管理する入会地がコモンズとして取り上げられます。しかし、現代では、このような伝統的なコモンズではなく、公共空間や集合住宅の共用部などもコモンズとされ、その概念が拡張されています。そこで、本研究では、現代的なコモンズの枠組みを捉え直し、地方部における持続可能な再生・運営方法を明らかにします。
なお、本研究プロジェクトは、我々、富山大学籔谷研究室に加え、横浜国立大学、茨城大学、名城大学の研究室と共に実施しています。