くれよん新拠点づくりプロジェクト
Vol.2かがやきロッジ・かがやきキャンプに視察へ行きました。
2024.11.27
2024年10月26日(土)に岐阜県岐南町にある、医療法人かがやきの社屋「かがやきロッジ」と「かがやきキャンプ」に視察へ行きました。今回の視察の目的は、くれよんの新拠点プロジェクトにあたり、同じく在宅医療を専門とする医療法人かがやきの概念の議論や新社屋の設計までの手順について学ぶことです。
医療法人かがやきは、「希望する在宅生活を安心して送れるように支援します」という理念を持つ在宅医療クリニックです。「患者さんー医療関係者」という関係性より前に、地域住⺠と医療関係者の方たちが接点を持つことや、地域住⺠がお互いに信頼関係をつくれる場こそが、患者さんが最後まで住み慣れた地域で暮らせる社会に近づくのではないかと考え、クリニックの機能だけではない地域の方々が自由に利用できるスペースを持った「かがやきロッジ」が誕生しました。
はじめに、プロデューサーである平田さんから医療法人かがやきについてお話をしていただきました。平田さんからは「かがやきロッジ」や「かがやきキャンプ」の成り立ちから現在まで、地域の方に自由に使ってもらえる工夫、地域の方々との関わりについてお話をしていただきました。平田さんのレクチャーの中で、地域の人に開いたスペースの管理や運営などのソフト面の工夫について、何か特別な工夫を施すのではなく、人やご縁で繋げていくというお話が印象に残りました。「かがやきロッジ」にはキッチンがありますが、キッチンの使い方や道具の片付けも貸し出す人に全て委ねているそうです。貸し出す人を信頼し、使い方も委ねるところが新鮮で、お互いの信頼の元で成り立っているのだなと感じました。使い方も利用する人に委ねているため、トラブルも起こることもあるそうで、その度課題に対してどう捉えるかを試されているとお話されていたのも印象的でした。ルールを決めるのか、注意をするのか、自分たちの在り方について考えさせられるとおっしゃっていました。
平田さんの講演の後、社屋である「かがやきロッジ」と「かがやきキャンプ」の建物を案内していただきました。設計は安宅研太郎さんで、空間のバリエーションやつながり方、距離感を注意深くデザインされており、建築を学ぶ私にとって勉強になる点が多くありました。会議や研修、くつろぐ場など様々な活動が行える大小の部屋が複数ありましたが、それぞれがガラスや吹き抜けで繋がっていて、部屋は異なっていても気配を感じられる空間に魅了されました。
また、講義を行った部屋にはかがやきロッジでどんなことをしたいかをスタッフの方々と話し合った際に使用した模造紙が貼られており、ワークショップのやり方についても平田さんからお聞きしました。ワークショップでは、ドラえもんの四次元ポケットがあったら、どの道具が欲しいかについてから話し始め、四次元ポケットの道具を使わずにやりたいことを実現するにはどうしたら良いかというふうに話し合ったそうです。「もしも…」という仮想から始め、現実で行うにはどうするのが良いのかという考えのプロセスに興味深く感じ、このようなワークショップのやり方だとみんなで楽しく参加できるだろうなと非常に勉強になりました。
視察では、空間のことだけでなく、かがやきの在宅医療に関する思い、地域との関わり方やワークショップの仕方等学ぶ点が多くあり、今後プロジェクトを進める上でも参考にしていきたいです。
文章:黒山真樹