安倍ひよりらの論文が日本都市計画学会の年間優秀論文賞を受賞しました

2025.06.13

博士1年の安倍ひよりらの論文が、日本都市計画学会の2024年の年間優秀論文賞を受賞しました!

【受賞タイトル】
「まちを見る感性」が地域愛着及び主観的幸福感に与える影響
主観的幸福感向上のためのまち歩き手法開発に向けた基礎的研究https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalcpij/59/3/59_4035/_article/-char/ja

【研究内容】
本研究は、まちの見方の違いによって、地域愛着や主観的幸福感に与える影響に違いが見られるのではないかという仮説のもと、まちの見方の違いをもたらす働きを「まちを見る感性」と定義し、どのような「まちを見る感性」の働き方が、地域愛着及び主観的幸福感につながるのかを明らかにした研究です。研究の結果、「まちを見る感性」は、地域愛着を介して主観的幸福感に影響を与えることが分かり、「まちを見る感性」と主観的幸福感に関係があることを明らかにすることができました。また、まちの中で見たものに対して「想像」を働かすことが、地域愛着に影響を与えるという事が分かりました。

【受賞理由】
まちを見る感性と地域愛着・主観的幸福感との関係性を定量的に検証し、今後の景観施策に対し有用な示唆を得たこと、また、景観構造の解釈や地域愛着、主観的幸福感について既往研究を丹念に参照・整理することで研究目的に迫るための調査・分析の枠組みを創造的に構築した点が挙げられました。

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この論文は、まちの見方が変化したことでまちへの愛着、自身の幸福感が高まったという私の実体験をもとに生まれました。
自身の問いを客観的に根拠を持って示せたこと、またその内容を論文として世に送り出せたこと、そしてその論文がこのような受賞という形で評価していただけたことは、自分だけの力だけではなく、色んな方々の支えがあったからこそだと思っています。
また、受賞自体への喜びを感じるとともに、この研究が自分だけの思いだけではなく、社会的にも大きな意味があるんだ、と研究の意義を強く実感する機会となりました。
なかなか研究のテーマが定まらず右往左往していた私に、粘り強く、そして優しく指導してくださった籔谷先生、ゼミで色々な意見をくれた研究室のみんなはもちろん、関わってくださった人全てに感謝です。

現在は博士課程で、今回受賞に至った論文を発展させる内容で研究を続けています。
皆がまちをもっと面白がる視点を身につけることができたら、まちも人も社会も豊かになるんじゃないか、このような自身の思いがこの研究には込められています。
そんな豊かな社会の実現に向けて、今後もより一層研究の発展に向けて頑張りたいと思います!


関連サイト|
日本都市計画学会年間優秀論文賞一覧
https://www.cpij.or.jp/com/ac/articles/bp.html


(文:安倍ひより)