「GEIBUN17」卒業・修了研究制作紹介 No.1 石原亜実

2026.03.03

芸術文化学科 学部4年 石原 亜実

「地方都市におけるコミュニティガーデンの周辺住民への影響と今後の活動に向けた課題と可能性
-富山県高岡市「よしひさえん」を事例として-」と題した卒業研究に取り組み、その論文が高岡市美術館にて展示されています。

本研究では、高岡市吉久におけるコミュニティガーデン「よしひさえん」(以下、本活動)の①よしひさえんへの間接的な関与の実態と、活動が及ぼす影響との関係性を明らかにすること、②参加意向を踏まえた今後の活動展開可能性について考察することを目的として本活動の非参加住民を対象としたアンケート調査とヒアリング調査を行いました。

目的①について、4 つの間接的な関与の実態が明らかとなりました。影響としては、「まちへの印象向上」「行動変容」「まちづくりへの意識向上」といった影響を一部の住民に及ぼしていることが明らかとなりました。関与と影響の関係として、間接的な関与の存在は、それ自体が影響に直結するものではなく、活動をどのように受け止めるか、活動に関する情報量や理解の程度、さらには個人の価値観等が、影響を受けていると感じるか否かを左右する結果となりました。

目的②について、人が行動を変える過程を示す「行動変容ステージモデル」を応用して、参加意向ごとの適切な活動参加へのアプローチ方法が明らかとなりました。

また、よしひさえんに固有の条件から見る活動の成立構造と展開可能性として、学生の存在は、運営体制としての継続性に課題を抱えつつも、地域住民の関心・応援を生み出す契機として機能していることが考察されます。学生と園芸経験を有する高齢者との間に「教える―教えられる」といった関係性が形成されることで、住民が役割や意味を見出しながら関わり続ける実践の場となり得ることが明らかとなりました。

この研究は私が学部2年生の頃から学部4年生までの3年間に渡って関わってきた、よしさえんでの活動での経験が発端となっています。活動をしていく中で、地域の方をはじめ、たくさんの方に、「ありがとうね」という感謝の言葉、「いつも見ているよ」「頑張ってね」という応援の言葉、「もっとこうしてはどうか」と厳しくも温かい指導など、沢山の言葉をかけていただきました。こういった経験から、空き地で地域の方と一緒に畑を行うという行為が、活動に直接的に参加しない住民の方にも何かしらの良い影響を与えているのではないか、きっと活動の意義があるんだ、と思うようになりました。沢山の方に支えていただき、これまでの活動があります。恩返しの意味も込めて、本研究に取り組んだ結果、一部の地域住民の方には良い影響を与えていたこと、半数以上が応援の気持ちや関心を示してくださっていることを知ることができ、修士課程に進んだ後もより一層よしひさえんでの活動を頑張ろうと思うことができています。

展示では、研究結果の説明のパネルに加え、よしひさえんの未来を想像した絵と模型を制作しました。今後、こんな風になっていくとまちがもっと素敵になっていくのではないか、そんな気持ちを込めて制作しています。
まちに暮らす一人ひとりが誇りを持ったり楽しみながら取り組んだことは、規模に関わらずどれも大切で尊いことだということを、展示を通じて感じていただけたら幸いです。また、ご自身の住むまちに関心を持つきっかけにもなっていたら本望です!

会期|
2026年2月27日(金)〜 3月7日(日)9:30〜17:00(入館入場は16:30まで)
※3月2日(月)は休館

会場|
第1会場:高岡市美術館、第2会場:富山大学高岡キャンパス