「GEIBUN16」 卒業・修了研究制作紹介 No.8  長津咲希 

2025.02.13

芸術文化学科 学部4年 長津 咲希

卒業論文「イクソンドン韓屋村における転用韓屋の外観特性 ー地区単位計画の影響に着目してー」の展示を高岡市美術館で行っています。

本研究で取り扱っている「韓屋(はんおく)」とは、韓国の伝統木造住宅のことです。伝統的な韓屋は水回りが外にあったり、維持コストがかかったりする点から住居として住み続けることが難しく、数が減少していました。そこで、韓屋を保全していくために、韓国では韓屋を店舗などの別の用途に転用する手法が普及しています。

研究対象地域であるイクソンドン韓屋村は、他の韓屋村と比べて自由度の高い改修がされている韓屋が密集している商業地域です。本研究では、イクソンドンの転用韓屋の外観特性と、都市計画の一類型である地区単位計画を照らし合わせ、地区単位計画がイクソンドン韓屋村の転用韓屋の外観特性にどのように影響しているのかを明らかにすることを目的とし、研究を行いました。

分析から、イクソンドンの転用韓屋の外観特性は①伝統考慮型②外壁個性型③装飾型④伝統保全型⑤装飾看板型の5類型に分けられました。地区単位計画と照らし合わせると、伝統考慮型・装飾型・伝統保全型では規制項目をよく遵守しているのに対し、外壁個性型と看板装飾型で多くの違反が見られました。

韓屋村といえばやはり有名なのは「北村(プクチョン)韓屋村」ですが、旅行等で韓国を訪れる際はぜひイクソンドン韓屋村も訪れてみてください!韓屋村めぐりをすると、雰囲気が全然ちがっておもしろいです。美しい韓屋がこれからも残り続け、使われ続けていったらいいなと思っています。

最後になりますが、至らない私を辛抱強くご指導してくださった籔谷先生をはじめ、研究をサポートしてくださった山口大学の宋先生、韓国の李先生。研究の進め方や論文の書き方を丁寧に教えてくださった院生の先輩方、共に励まし合いいつも力になってくれた四年生、さまざまな意見を出してくれた三年生。本研究に関わっていただいたすべての方に心より感謝申し上げます。

(文:長津咲希)

会期|
2025年2月8日(土)〜 2月16日(日)9:30〜17:00(入館入場は16:30まで)
※2月10日(月)は休館

会場|
第1会場:高岡市美術館、第2会場:富山大学高岡キャンパス